【映画レビュー】ドント・ルック・アップ(2021年・145分)★9

Date
2021/12/31
Update
2022/12/4 8:31
Tag
アート
映画

作品情報

タイトル:ドント・ルック・アップ
公開年:2021年
上映時間:145分
監督:アダム・マッケイ
あらすじ:
天文学専攻のランドール・ミンディ博士(演:レオナルド・ディカプリオ)は、落ちこぼれ気味の天文学者。 ある日、教え子の大学院生ケイト(演:ジェニファー・ローレンス)とともに地球衝突の恐れがある巨大彗星の存在を発見し、世界中の人々に迫りくる危機を知らせるべく奔走することに。 仲間の協力も得て、オーリアン大統領(演:メリル・ストリープ)と、彼女の息子であり補佐官のジェイソン(演:ジョナ・ヒル)と対面したり、陽気な司会者ブリー(演:ケイト・ブランシェット)によるテレビ番組出演のチャンスにも恵まれ、熱心に訴えかけますが、相手にしてもらえないばかりか、事態は思わぬ方向へー。 果たして2人は手遅れになる前に彗星衝突の危機から地球を救うことが出来るのでしょうか!? (Filmarksより)

感想・評価

もし、自分が余命あと半年と宣告されたら?
を想像したときに浮かぶ、
ショック、悲しみ、焦り、怒り、開き直り、縋り、諦め
それら全てが詰まったような
そのときの、心の中にある世界の顛末を描いたような感じ。
 
博士が路上に車を停めて彗星を見上げるシーン
焦りがストンと諦めに変わる感じが、たまらなく美しい。
 
人より弱い心をもっていた(精神薬漬けだった)博士が、
超現実的な世界では壊れずにいつづけたのもなにか示唆的だなあ。
 
散りばめられたコメディ成分が
冷徹でシリアスなストーリーの上に
笑いと腹立たしさをトッピングしてくる。
 
終末系で一番好きだった「トゥモロー・ワールド」を塗り替えたかも。
映画体験としていかに楽しめるか、でいうとバッチリだった。
 
無慈悲さのなかに、趣味の悪い意地悪さは感じなかった。
「全てを否定してぶっ壊す」ことが最大の目的であって、
そうすると、立場上、「科学」をも全否定しなければならなくなったので
乱暴で絶望的な設定を取り入れた、みたいな、
そういう姿勢を感じるからかもしれない。
みたことないタイプのディザスターで楽しかった。
 
エンドクレジット周りのシーンは、
「少しマジになりすぎたけれど
俺らはトラウマ映画をつくろうとしたわけじゃないから
そこんとこヨロシク!」
って言われてる感じがした。

採点

★9:度々話題にし続けちゃうかも

視聴リンク

採点基準

★10:別格の思い入れ。殿堂入り。
★9:度々話題にし続けちゃうかも
★8:これを切り口に映画の話を振れる
★7:好き。場が映画の話なら話題にする
★6:人に話振られたら「良いよね」と言える(印象深かった何かがある)
★5:可もなく不可もなし
★4:微妙だし記憶に残らなそう
★3:つまらない上に不満
★2:途中で諦めるレベル
★1:嫌い。生理的に受け付けない。