映画「ヘレディタリー/継承」レビュー:全く新しい“畏れ”の体験

作品情報

タイトル:ヘレディタリー/継承
公開年:2018年
上映時間:127分
監督:アリ・アスター
あらすじ:
グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。 娘のアニーは、過去の出来事がきっかけで母に愛憎入り交じる感情を抱いていたが、家族とともに粛々と葬儀を行う。 エレンの遺品が入った箱には、「私を憎まないで」というメモが挟んであった。 アニーと夫・スティーヴン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーは家族を亡くした喪失感を乗り越えようとするが、奇妙な出来事がグラハム家に頻発。 不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。 やがて最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。 そして想像を絶する恐怖が彼女たちを襲う。 一体なぜ?グラハム家に隠された秘密とは? (Filmarksより)

感想・評価

ただでさえ鬱々とした雰囲気の一家に、不幸が度重なる。 その背景にあるものは…
普段ホラーはあまり観ないが、この作品はとても気に入った。 ホラーは観ないという前提を知っていてなお僕にプッシュしてくれた友人に感謝したいし、「ここ50年で最高のホラーだ」「新しい時代のホラーだ」と言われている理由も納得。
姿の見えない宇宙人だったり、レクター博士だったり、カイザーソゼだったり、シガーだったり、カーツ大佐だったり、そういう畏怖される神話的な存在にグッとくる人はきっと気に入ると思う。
ミニチュア模型を通してストーリーが語られたり、昼夜がスイッチのように切り替わって時間経過が表現されたり、芸術的なセンスの良さも相まってすごく上質な怖さのあるの映画だった。
現実離れしていながらもバカバカしくなく本当にゾワゾワと「嫌」な気持ちがずっと続く。
ラストシーン。 神々しさのあまり、ただ涙した。 アリ・アスター監督自身が「最高の感動作」と言っているらしいが…なるほど。 ホラーの恐怖を超えた、超自然的な何かへの畏怖、そういう涙だったかもしれない。

視聴リンク

採点

この映画の評価は…
★9:度々話題にし続けちゃうかも
他にも、観た映画を独断と偏見で採点してます 他のレビューと採点基準は以下
  • 採点別まとめ
★10:別格の思い入れ。殿堂入り。
★9:度々話題にし続けちゃうかも
★8:これを切り口に映画の話を振れる
★7:好き。場が映画の話なら話題にする
★6:人に話振られたら「良いよね」と言える(印象深かった何かがある)
★5:可もなく不可もなし
★4:微妙だし記憶に残らなそう
★3:つまらない上に不満
★2:途中で諦めるレベル
★1:嫌い。生理的に受け付けない。